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クリスマスの起源 (由来)

当初の降誕祭 (クリスマス)

クリスマスをイエス誕生の祭事として、降誕祭 (聖誕祭) としての側面で遡ると、ローマでは新年は春分の日であったこともあり、この時期に降誕祭を行っていたとか、 1月、3月、8月などに行われていたともされ、東方教会が今でも定める1月6日をキリストの顕現祭としていたこともありますが、はっきりとした時期に行っていたのかは定かではなく、どのように行っていたのかも具体的に分かりません。

そもそも、この頃は、キリストの死と復活が重要であり、復活祭 (イースター) の方が重視されていたようで、そのため降誕祭や誕生に関する記録がほとんどないみたいですが、当時のローマ帝国と深く関わることがあったのは想像できます。

クリスマスの歴史 - イエスの誕生日

ローマ帝国内の事情

聖書にも記述されることもなく、今では秋 (9月中旬~10月上旬) なのではなかったかと推測されることが多いイエスの誕生日が、現代に通じる12月25日の降誕祭に定まったとされるのは、以下のようなローマ帝国の事情が一因であったためとされてます。

クリスマスが冬至の時期に定まる4世紀頃まで、ローマ帝国では、いくつかの東方や地中海沿岸諸国の信仰の影響を受けていて、その共通点として太陽信仰があったようで、ローマ皇帝も太陽の化身として崇拝を集める側面があったようです。

また、ローマ市民の生活に関わる農耕の面でも、冬至までに短く弱くなる昼の太陽を、農業を司る神サトゥルヌス (クロノス) が下降を食い止め復活させることを祝う、サトゥルナリア (サトゥルヌス祭 Saturnalia) が12月17日から24日までの一週間ありました。 この期間は休みとなり、かなり羽目をはずし大騒ぎをしていたようで、現代でも行われる常緑樹を飾ったり、プレゼントを贈ったりなどの風習も見られました。

4世紀の頃、サトゥルナリア直後の12月25日を「太陽が甦る日」と重視するローマ帝国では、先に広く普及していた太陽信仰のミトラス教と、当初迫害されていたが勢力を広げ続けるキリスト教の二大勢力があり、ミトラス教でも「征服されることなき太陽の誕生日」として12月25日が最も重要な祭日としてました。

ヨーロッパでの状況

さらに、この頃、ヨーロッパ全土へと進出していたローマ帝国は、ローマ人にゲルマン人と呼ばれる、多くの生活が狩猟と牧畜から農耕へと変化している過程の先住していた多数の民族 (以下、ゲルマン民族と表記) が、ローマ帝国の兵隊の多くを占める様になっており、一部ではローマ帝国がゲルマン化してるとも言えました。

この頃のゲルマン民族では、現在、北欧を中心にユール (Yule, Jul) と呼ばれる冬至祭が、冬至に最も近い満月の晩に関わって行われ、12月25日前後を冬至として盛大な祭りがあったようで、ユールはもともと冬至を意味していたとも言われます。

このユールは、その年の収穫への感謝とともに翌年の豊穣を祈って行われていた側面もあるようで、単純に収穫祭などと表現されることもあり、ユール・ログを燃やすなどの風習は現在でも行われるなど、今でも続くゲルマン民族の生活に深く関わっていた風習であったようです。 また、北欧では現在でも祭りのことをユールと呼び、クリスマスもユールと呼ばれています。

ローマ帝国でのキリスト教取り込み

このような当時の状況から、最盛期を過ぎていたローマ帝国の皇帝コンスタンティヌスが、313年にミラノ勅令で勢力を増していたキリスト教を公認し、325年にキリスト教会内で派閥紛争の的となっていた教義などについての対立を討議するため、小アジアのニカイア (ニケア) で会議を行いました (第1回ニカイア公会議) 。

この時、よく知られるアタナシウス派が主張していた父と子を一体とする教理や復活祭 (イースター) の日付の計算法が決まったのと一緒に、ローマ帝国内外での風習・宗教の対立や摩擦を避けてキリスト教を取り込む政略もあり、太陽にもなぞらえるキリストの降誕祭 (クリスマス) の日が冬至の12月25日に決まりました

まとめ

宗教的な面では、どちら側が信仰を取り入れたとか、利用したとか色々と見解もあり、降誕の日 (誕生日) を決めたのか、降誕祭の日取りを決めたのか、はっきりしないところもありますが、太陽の動きは人間との生活に深い関わりがあり、夏至や冬至、春分や秋分を当時から特別の時期とされてたのは確かのようで、クリスマスが冬至の時期に決まったことが、世界に広がるきっかけでもあったと言えます。

以上のような過程で、現在に通じる人々が心待ちとするクリスマスが12月25日に行われるように決まったのを、クリスマスの起源とするのが一般的なようで、クリスマスとして記録に残るような祝われ方をしたのも、この頃以降のようです。 世界に最も影響を与えた一人と言えるイエスの誕生日を、キリスト教に求めても、聖書に記述はなく、イエスの教えの方が重要視されているのは当然ですが、クリスマス (Christmas キリスト+礼拝) と言う表現はキリスト教のものと言えます。

近年の世界中に広まったクリスマスの傾向は、キリスト教から見ると宗教的意味が薄れ、商業的になっていると言えますが、現代のお祭り騒ぎ的傾向は、身近な生活に関わる農耕や太陽、冬至に関連したサトゥルナリア (サトゥルヌス祭 Saturnalia) やユール (冬至祭) など、民間風習のお祭り騒ぎに回帰していると言えなくもないです。

参考

Christmas Page - クリスマスって?  ヨーロッパのクリスマス  ワーグナー 「ニーベルングの指環」のためのノート  キリスト教1……教父哲学  クリスマスの話 


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